ペーパースクリーン版画について

ここでは、METALIC FORESTの黒木美香が行っている、ペーパースクリーン版画についてご紹介します。

[黒木美香プロフィール]
1995年からぺーパースクリーン版画の第一人者、大場正男氏に師事し、1999年より版画教室をスタート。
日常の中にある感動を、和紙を使ったペーパースクリーン版画によって表現します。

ペーパースクリーン版画とは

ペーパースクリーン版画とは、謄写版を工夫した特殊な技法を用い、
インクを透す紙と透さない紙を使って版を作り、
一枚ずつゴムローラーで丁寧に刷り上げていきます。
版式は孔版画に属し、日本で生まれ育った現代版画です。また、PS版画と略される事もあります。

<版画に必要な原紙>
ダイヤモンドスクリーン(インクを透す紙)、グランド原紙(インクを透さない紙)、パラフィン原紙、孔画紙、トレーシングペーパー、印刷する紙

<版画制作に必要な道具>
刷り台、ゴムローラー、アートナイフ、油絵具、メジウム、ワックス、00ニス、速乾ニス、木工ボンド、鉄筆、謄写板、紙やすり、メンディングテープ、テープ、ハサミ、定規、画鋲、カーボン紙、光沢紙、乾燥台、霧吹き、アイロン、パレット、パレットナイフ、灯油、ガーゼ、新聞紙、テッシュペーパー、筆記用具

ペーパースクリーン版画ができるまで

ここでは実際にペーパースクリーン版画で一枚の作品ができるまでをご説明します。
一見、工程が多く複雑に見えますが、木版画・銅版画やシルクスクリーン版画と比べて
身近な材料で簡単に始める事が出来るのが特徴です。
ペーパースクリーン版画教室も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

  • 1.刷り版に木工ボンドを塗り、その上に霧吹きをして軽く湿らせる。

  • 2.むらにならないよう木工ボンドを均一に塗っていく。

  • 3.厚手の光沢紙に霧吹きをして全体を湿らせ、それを木工ボンドを塗った刷り版に貼る。※光沢紙は水で濡らしても破れないものであれば、カレンダーを利用してもよい。

  • 4.しわが寄らないように張りながら、つけていく。

  • 5.上下左右に紙をぴんと伸ばす。

  • 6.片方だけアイロンで固定する。

  • 7.しわを伸ばしているところ。

  • 8.全体が均一に貼れたら4か所に画鋲をして、紙が乾くまで置く。

  • 9.版画のデザインを紙にトレースし、原版をつくる。

  • 10.刷り台の位置合わせに原版を置き、デザインより2cmくらい周りに画鋲を置く。

  • 11.光沢紙を貼ったほうの刷り版を下ろし、アートナイフで切りぬく位置を決める。

  • 12.光沢紙を切り抜いたところ。

  • 13.デザインが中心にあり、絵が完全に見えていることを確認する。

  • 14.13の切り抜いた枠より、1.5cmほど大きく切ったダイヤモンドスクリーンを水で濡らす。

  • 15.水で濡らしたダイヤモンドスクリーンは、新聞紙に挟んで軽く水気を取り、四方をアイロンをかけて乾かし、窓枠にのせる。

  • 16.メンディングテープで貼る方法と、速乾ニスを窓枠に塗って貼る方法があるが、いずれも紙に皺ができないようにぴんと張ってつけるようにする。貼った後は、テープでカバーする。

  • 17.この時点できれいに貼れていないと、ズレの原因になるので注意する。

  • 18.原板にワックスを塗る。

  • 19.光沢がある方を上にしてグランド原紙をのせるが、中に空気が入らないようにする。

  • 20.印刷したい部分をアートナイフでカットする。下の原紙まで抜かないよう注意する。

  • 21.グランド原紙を抜いたところ。

  • 22.位置合わせに21を置き、スクリーンを貼った刷り台をかぶせ上からアイロンをあてる。

  • 23.間にガーゼを挟むと余分なワックスを吸い取ってくれる。

  • 24.グランド原紙の色が変わるまでアイロンで熱を加えスクリーンに定着させる。

  • 25.刷り台の間に新聞紙を挟み、ガーゼに灯油を湿らせる。

  • 26.スクリーンについたワックスを灯油を使って拭き取る。

  • 27.灯油で洗った後は、スクリーンをティッシュで軽く拭いておく。

  • 28.孔画紙をもみ、細かい亀裂ができたら、版の裏側に貼る。

  • 29.皺ができないようにテープでとめる。

  • 30.インクを出したくない場合、メンディングテープをカットしたものを貼っておく。木の形に見えるところが色止めをしているところです。

  • 31.1色目は、グレーを刷ります。新聞紙に何回か試し刷りをします。

  • 32.孔画紙の亀裂を利用したもみの版を刷っているところ。

  • 33.次はグラデーションを刷りますが、同じ刷り版を使用するので前のインクを、灯油を使って新聞紙やティッシュ、ガーゼで拭き取っていきます。ゴムローラー、パレットもきれいにします。

  • 34.左:31.32で刷ったもみの版。右:33のグラデーション

  • 35.もみの版の上にグラデーションを重ねたもの。

  • 36.右のピンクの版は、19~27での作業を行い、印刷したい部分を作る。鳥や丸の形は、グランド原紙をカットしてアイロンでスクリーンに貼り、色止めをしている。

  • 37.35の版に36右の版を重ねたもの。※35で印刷した絵が乾いてないと次の色は印刷できない。

  • 38.ワックスを塗った原紙にグランド原紙をのせ、鳥の形を切り抜く。

  • 39.アイロンをあてて製版する

  • 40.右の鳥を37で印刷した絵に重ねて完成。

  • 41.版画を乾燥させているところ

ペーパースクリーン版画、完成!!